接客・研修分野における「アバターの社会実装」を後押しするSMBCグループ。金融業界におけるDXの取り組みから、万博・IRを見据えた“未来の社会インフラ”としての構想まで。株式会社三井住友銀行 代表取締役 副頭取 執行役員 道岡俊浩氏に、AVITAとの協業がもたらす可能性と、その先に描く未来を伺いました。「一緒にやってみよう」 AVITAとの協業に至るまで我々自身も当然ながら、さまざまな業務の効率化や人手不足への対応といった課題を背景に持っており、10年近く前から銀行として業務効率化の取り組みを進めてきました。行内の取り組みを進める中で、我々の経験やノウハウをお客様に提供すること自体が、新たな価値を生み出すサービスになり得るのではないかという考えも生まれてきました。そんな中で、2年ほど前に石黒先生をはじめ、AVITAさんとの出会いがありました。アバターと石黒先生の研究と、我々SMBCグループのこれまでの取り組みを掛け合わせることで、お客様に提供できる価値になるのではないかと。そうして 「じゃあ一緒にやってみよう」 と今回の提携(※1)に至った、という流れです。※1:SMBCバリュークリエーションとAVITAは、アバターを活用した共同事業の開始にあたり業務提携契約を締結“当たり前”になる前の、 静かな準備期間私は特に大企業や中堅企業クラスの経営者の方とお会いすることが多いんですが、そういうトップレイヤーの方々ほど、アバターという言葉に対して抵抗感はほとんどなくなってきていると感じます。むしろ、新しい技術や取り組みに対して、とても柔軟かつ前向きに受け止めていただいている印象です。今や"アバター"も市民権を得ている言葉だと思いますし、アバターが 「社内教育に使える(※2)」 「お客様対応に使える」 といった提案にも 「時代の流れに合ったアプローチ」だという声が多く、皆さん冷静かつ実利的に判断されているなと感じます。たとえば 「AIを取り入れていますか?」 と聞かれて 「うちはAIは関係ありません」 という会社は、もうあり得ないと思うんですね。アバターもそれに近い位置づけになりつつあると感じています。とはいえ、実際の導入に関しては、慎重な検討や検証を重ねて進める企業も多く、日本企業特有のスピード感もある中で、いままさに実装フェーズに入ってきたという印象です。もちろん、実証実験を重ねる中で課題が出てくることもありますが、そこはAVITAさんと一緒に一つひとつ丁寧に調整・改善を重ねながら、確実に前進しているところです。※2:アバターAIロープレ支援サービス「アバトレ」。AIアバターがお客様役となることで、いつでもどこでも気軽に現場の負担なく繰り返しロールプレイングを実施することができます。「アバトレ」サービスページはこちら >銀行の3つのあり方と、 アバターの可能性銀行って、ある意味“仕方なく行く場所”だと思ってます。銀行と病院って、できれば行きたくない。でも行かざるを得ない場所なんですよね。そこで、私なりに3つの方向性があると思ってまして——。1つ目は 「店舗に行かなくても手続きができる」 というケースです。来店せず、必要な手続きがオンラインで完結できるデジタルプラットフォームを構築してきました。2つ目は 「便利なら行ってもいいかも」 というケース。昔ながらの駅前型の店舗に加え、商業施設の中など、買い物ついでに立ち寄れるような立地にも、最近は積極的にリプレイスしています。3つ目が 「対面でしっかり相談したい」 というケース。デジタルで困った時や相続、資産運用など、本格的な相談が必要なときには、やはり経験豊富なプロフェッショナルと直接話せる場所が求められます。それぞれのケースに、アバターはフィットすると思っています。たとえば、親しみやすいキャラクターが画面越しに対応してくれると、ちょっと和んだり、嬉しい気持ちにもなりますよね(笑)。そうした演出を交えつつ、必要な情報提供や手続き対応ができるというのは、大きな価値があると思います。銀行の窓口に限らず、接客業全般でアバターの活用は有効だと感じています。また、アバターは接客ツールにとどまらず、社員教育やトレーニングにも活用できます。生成AIとの連携が加わることで、学習データをもとにした高度なトレーニングが可能になり、トレーニングの質そのものも上がっていく。アバター活用の可能性はまだまだ広がっていくと思います。資料請求(無料)をしたい、「アバトレ」を体験(無料)してみたい、などお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら >アバターの真価はその“裏側”にある我々自身の銀行内部の業務にも、非効率な部分が多く残っているのが現状です。銀行って、どうしても“外向けには投資するけれど、内部にはお金をかけたがらない”という文化があるんですね。でも、そこを徹底的に変えていかないといけない。人間には、人間にしかできない“付加価値のある仕事”に集中してもらえるような環境を、アバターやAIの力で作っていきたいと思っています。そして、これから社会では“パラダイムシフト”が起こると私は考えています。じわじわ変わるというより、ある日突然“ドーン”と来るような。例えるなら、ガラケーからスマホに切り替わったときのような変化が起きるのではないかと。石黒先生のアンドロイドのような存在も、ある瞬間に“当たり前”になる日が来るんじゃないか。そんなふうに思っています。今はまだ 「アバターかリアルか」 といった議論が中心ですが、その理解だけだと実は全然足りなくて。アバターを使うことで得られるデータの蓄積や、ディープラーニングによる価値創出。そういった(アバターの)“裏側”にある、いろんな付加価値に皆さんが気づいたときに、世の中は一気に変わる。そんなパラダイムシフトが、もうすぐ訪れる気がしています。万博・IRが起点に。 アバターが支える、 関西の新しい社会インフラあくまで私の見立てですが、関西の企業は、どちらかというと保守的な傾向があります。でも、一度スイッチが入れば一気に進むタイプ。「2025年 大阪・関西万博」や「大阪IR(※3)」を見据えると、アバターはまさにその変化の担い手になり得ると思っています。私自身、以前香港に駐在していたことがあり、マカオやシンガポールのIRには幾度となく視察に訪れました。現地の仕組みやオペレーションについては十分に理解しているつもりです。とにかく膨大なスタッフが必要で、多言語対応も当たり前。そのモデルをこの大阪で再現しようとすれば、避けて通れないのが“人手不足”の問題です。本当にありえないくらいの人員が必要なんです。大阪だけでなく全国から、場合によっては海外からもスタッフを集める必要があります。それをこの時代にどう実現するのか。私は、そこにアバターが大きな役割を果たすと考えています。さらには、カメラ・センサー・生成AIを組み合わせることで、不正検知など、セキュリティ領域にもアバター活用が広がっていく。アバターに加え、アンドロイドとの組み合わせによる新たな可能性も見えてきます。東京と比べると、今はアバターの導入率が低いかもしれませんが、それはまだ"これから"という段階にあるだけ。私は、関西から、そうした非連続のイノベーションが起こると強く確信しています。※3:大阪IR(Integrated Resort)は、大阪・夢洲に整備される統合型リゾート施設【特別企画1】 ローソン 竹増社長のインタビューはこちら >「人手不足を乗り越え、 誰もが働ける店舗へ。 ローソン竹増社長が語る、 「アバター接客」 3年間の挑戦と進化」「アバトレ」は、アバターと生成AIを活用した、成果につながるロープレ支援サービスです。 AIアバターがお客様役となることで、いつでもどこでも気軽に現場の負担なく繰り返しロールプレイングを実施することができます。独自のアバター生成技術により、膨大なデータの事前準備をしなくても、かんたんに高品質なロープレのコンテンツを作成することができます。ロープレ後には、AIが自動で評価や改善点をフィードバック。ユーザーは、それを元に自身のスキルレベルを把握しながら、自主的にスキルを高めることが可能です。さらに、ロープレデータを一元管理できるダッシュボード機能によって、従業員のスキルレベルを可視化・分析することが可能なため、属人的な指導のばらつきを防ぎ、育成ノウハウの組織的な共有・資産化にもつながります。また、これまでロープレ対応に時間を割いていたマネージャーや教育担当者の負担軽減にもつながり、現場全体の育成業務の効率化にも貢献します。「アバトレ」サービスページはこちら >資料請求(無料)をしたい、アバトレを体験(無料)してみたい、などお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら >