アバター接客の導入から約3年。複数店舗への展開が進む中、現場の働き方や店頭接客はどう変わったのか。そして、ローソンが描くこれからの未来とは——。株式会社ローソン代表取締役社長 竹増貞信氏に、導入の背景と展望を伺いました。人手不足と多様な働き方、 両方に応えるために我々自身も店頭での人手不足という問題を抱えておりまして、この人手不足をどう解決するのかということ。それから、アバター接客(※1)をご提案いただいたときに、働く方々にとっても従来の制約から外れる自由な働き方ができて、お店側にとっても非常にいい。この両面から決断させていただきました。導入にあたって提案してくれたのは、我々の法務部長(当時)で、彼が石黒先生と知り合いになったことがきっかけでした。そこでアバターという仕組みがあると知って、店舗でも活用できるのではと。彼が熱意を持って私に提案してくれたので、法務部長(当時)という立場でありながら、こうしたデジタルやAIの技術に挑んでいくのも、ローソンらしくて面白いんじゃないかと。実装までしっかりやってくれ、と私の方からもお願いしました。※1:アバター接客サービス「AVACOM」。アバターや生成AIなどのAI技術によって接客を効率化します。「AVACOM」サービスページはこちら >まずやってみる。 ローソンの挑戦する文化ローソンでは新しいことをやるときに、あまり根掘り葉掘りは聞かないんですね。 「まずやってみよう」 と。もちろんその前段で、いろんな仮説を持ったり、想像を働かせてリスクを潰すということはします。でも、まずはやってみた方が分かりやすいだろう、ということで、すぐに準備ができれば実行する。もちろん、お客様に迷惑がかかるとか、社会にご迷惑をおかけするようなことがあれば、それはチャレンジとして“ノー”ですけど、そうでなければ、とにかく場はたくさんある。だから 「やってみようじゃないか」 と。そういう社風だと思います。“アバターとの出会い”がつくる温かさ実際にやり始めて気づいた新しい発見もありました。ご高齢のお客様や子どもたちは、最初はアバターに 「いらっしゃいませ」 と声をかけられて、少しびっくりされるんですね。 「あなたは人なの?」 って聞かれることもあって。 「私は人間です。遠隔でアバターを動かしています」 と説明すると 「ああ、そうだったんだ」 と親近感を持たれる。一方で 「AIです」 と伝えると、またちょっと違った印象を持たれる。不思議なんですけど、アバターの見た目が同じでも、背後に人がいるのかAIなのかで、お客様の感じ方がまるで違うんです。実際にいろんな会話が店舗内で行われていて、子どもたちも本当に無邪気にアバター店員さんに普通に話しかけて、すごく心と心が通い合うような温かい空気が生まれてくる。こういったこともアバターの効用なんだなと思います。ローソンが目指しているのは、リアルの温かさとテクノロジーが融合した"新しいコンビニ"です。そういった我々の想いに、アバターは非常にマッチしたテクノロジーであったと感じています。資料請求(無料)をしたい、「AVACOM」を体験(無料)してみたい、などお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら >3店舗同時勤務。 海外からの接客。 アバターで広がる“働き方改革”これを、いわゆる実証実験として終わらせるつもりは全くありません。しっかりと“持続可能なモデル”にしていかなくてはならないと考えています。ローソンは、ビジネスとしてコンビニエンスストアを展開していますが、実際に店舗を経営しているのは、主にフランチャイズオーナーの皆さんです。だからこそ、オーナーの方々が 「アバタークルーを雇用して店舗を運営することに、ちゃんとビジネスとしてのメリットがある」 と感じていただいて、はじめてこのビジネスモデル(※2)はサステナブルなものになると思っています。そのために今チャレンジしているのが、 「一人のアバターが1拠点から複数店舗を担当する」 という運用です。もともとは、1店舗に1アバターという形でスタートしましたが、今は 「3店舗同時に勤務できるか?」 「5店舗ならどうか?」 「深夜帯にも対応できるか?」 といった検証を進めているところです。さらに、都市部と地方、両方の店舗をまたいで担当できないか、という実験も始まっています。そして今では、ヨーロッパからアバターで勤務してくださっている方もいらっしゃいます。こうしたグローバルな働き方が可能になることで、よりサステナブルなモデルが見えてくると思っています。"働く側"と"雇用する側"どちらにとっても、ちゃんとビジネスとして成立する。そんなモデルにしていきたいと考えています。※2:”ローソンアバターオペレーター”がアバター店員となり、遠隔地からアバターをリモート操作して、来店中のお客様へのサービス提供、セルフレジのサポートなどを行います。万博で体験する、 アバターという“身近な存在”「2025年 大阪・関西万博」 では、ローソンのアバタークルーも実際に万博会場内(※3)で活躍しています。ありがたいことに、連日本当にたくさんのお客様がいらっしゃって、グローバルからも多くの方がローソンの万博店舗に足を運んでくださっています。同時通訳の仕組みを使うことで、いろんな言語にも瞬時に対応できる。そんな、日本発の“温かい”デジタルサービスを、海外の方にも、日本の方にも実際に触れてもらうことで、 「アバタークルーって、こんなふうに身近な存在なんだ」 と感じてもらえるきっかけになればと思っています。日本全体で見れば、これからどんどん少子高齢化で人口も減っていく。しかも、いわゆる生産年齢人口が減っていくという現実に直面しています。 「アバタークルーとして働きたい」 という方の中には、さまざまな事情で店舗まで足を運べない方も多くいらっしゃいます。中には、最初はベッドの上から勤務を始めたという方もいます。 「サービス業で働きたい」 「人と会話したい、コミュニケーションしたい」 と、そうした思いを持っている方は本当にたくさんいるんです。アバターという仕組みは、そういった方々に新しい働き方を提供できる。私たち企業側のニーズと、働きたい方々のニーズ。その両方をしっかりとマッチングさせていけるのが、アバターという存在なんじゃないかと思っています。※3:「ローソン 大阪・関西万博店」でも、アバターによる多言語接客を実施。「まず、やってみる」 から始まる未来。 100年後も、マチのそばにAVITAさんとの取り組みももう3年になりますが、当初に比べて、お互いの理解も深まってきました。最初はお互い見えていない部分も多かったと思いますが、今では 「こういう活用の仕方もあるのでは」 と、それぞれの視点から気づきが生まれてきています。アバタークルーがローソンの店舗に登場することで、 「えっ、ローソンでこんなことやってるの?」 と、お客様や社会の皆さまに驚きや刺激を感じてもらえたらいいなと思っています。 「ローソンに行けば、何かあるよね!」 とワクワクしてもらえることが、単なる店舗の変化にとどまらず、社会全体のDXにつながっていく。そんな身近なところから変化が生まれるきっかけになったら嬉しいです。(2025年6月、ローソンは創業50周年を迎えました。) 100年後の未来なんて、正直まったく想像がつきません。でも、10年前と今を比べても、本当に大きく変わったなと感じるわけで。だからこそ大事なのは、小さな変化にきちんと向き合って、一歩ずつでも歩みを止めないこと。そうやってチャレンジを積み重ねていくことで、 「気づけば、こんなに変わってたんだね」 と振り返れる未来になると思うんです。ローソンとしても、次の50年、100年に向けて、日々のチャレンジをこれからも続けていきたいと思っています。【特別企画2】 三井住友銀行 道岡副頭取のインタビューはこちら >「銀行DXと社会課題の解決を同時に。 三井住友銀行 道岡副頭取が語る、 共創が切り拓くアバター活用の未来」「AVACOM」は、アバターや生成AIなどのAI技術によって接客を効率化するオンライン接客サービスです。マルチプラットフォームに対応しており、AIの活用やリモート接客(遠隔接客)により、WEBサイト上でのオンライン接客による売上・契約増加や、問い合わせ効率の向上、店舗や受付の無人化・省人化、人手不足の解消に貢献します。2022年のサービス開始以来、すでに数百件の導入実績があり、顧客接点の強化だけでなく、業務効率の向上や人手不足への対応に貢献しています。また、アバターの姿で遠隔地から働ける“アバターワーカー”という新たな雇用の形も生み出しています。「AVACOM」サービスページはこちら >資料請求(無料)をしたい、「AVACOM」を体験(無料)してみたい、などお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら >